桜切るバカ、梅切らぬバカ
桜切るバカ、梅切らぬバカという諺があります。
これは、桜の木は切ると痛む、梅の木は切った方がよい実がなる。
それぞれに個性があって扱い方が違うんだから、画一的なやり方ではだめよ。という意味です。
これを投資に置き換えるなら、「指数切るバカ、個別切らぬバカ」。
代表的な株式指数は、ACWI(オルカン)、S&P500、ダウ30、Nasdaq100、日経225、TOPIX・・・これらのものは川の流れと同じで、一時的にとどまったり、逆流したり、氾濫してパニックになったりしますが、最終的には落ち着くところに落ち着く。
将来的には常に『史上最高値』を更新していくものです。
インデックスに投資しているのに、やれ利確だ、やれ損切だとガチャガチャ動かすのは『桜切るバカ』です。株式指数は、基本的に損切や利確をする必要はないと考えています。必要な時に必要なだけ取り崩し、淡々と積み上げるのがセオリーです。
一方で、個別銘柄は、『船』に投資するものに近いと思います。時代の潮流に乗って大きく飛躍することもできますし、逆流のなかで進むこともできます。
ただ、船は沈むこともあります。
個別の株式に投資しているのなら、きちんと航路はあっているか、船底に穴は開いていないかチェックが必要です。
航路は間違っているし、燃料もない、船体はボロボロで浸水して船員は逃げだしています!みたいな状況になっても、運命を共にするのではなく、きちんと救命ボートで逃げ出す『損切』をすべきです。できれば、そんなことになる前に、ほかの船に乗り換える。
良い企業は生涯保有銘柄になりますが、『一生一緒にエヌビディア』はなかなか難しい。
長期投資が前提のNISA口座では、損益通算ができないので個別株投資には向きません。
損切りしても、ほかの利益と相殺できないし、銘柄を入れ替えるときに投資枠を使ってしまいます。
積極的に個別銘柄を売買するのなら、特定口座を活用することが大事です。
NISA口座はインデックスを主力にする。個別株を入れるなら最高品質株を。
私はNISAの成長投資枠で日本の個別株にも投資しています。三菱UFJや三井物産、INPEXなど。これらの企業が日本企業の中で最高の分類だと判断しているからで、株式指数よりも高いパフォーマンスを長期にわたって提供してくれると思いますが、今後もそうであるかは誰にもわかりません。
そしてNISA口座で買ってしまった以上、なかなか手放すことはできません。
私も『梅切らぬバカ』の一人になりそうです。
梅切らぬバカだなーっと、笑い飛ばせるぐらいのポジションにして、個別株はおまけ。あくまで主力はインデックス。というのが、NISA口座の使い方としてお勧めです。