S&P500 vs. オルカン:長期投資における最適な選択

NISA四天王 eMAXIS Slimシリーズ。どれを選んでもいいけど、どれが一番良いのでしょうか?投資手法と選ぶべき商品について検証しました。

 

新NISAでインデックス投資を考えるときに、eMAXIS Slimシリーズで主要国の株式に投資するのが、現在、王道中の王道となっています。

私も例に漏れずつみたて投資枠では、これら外国株式に投資する低コストなインデックス投信を購入しました。長期で市場平均に連動するパッシブ運用を行うことが合理的な戦略であることは多くの人が検証されています。

 

そのようなインデックス投資家は、オルカン派と米国(S&P500)派に大別することができます。

オルカン派の主張は、『世界経済は今後も成長するし、どこの国が覇権国家になるかわからない。世界に遍く投資しておけば間違いない!』

米国派の主張は、『現在の世界経済のリーダーは米国で、今後数十年はその地位が揺らぐことはない。米国企業はグローバルに事業展開しているので、アメリカに投資=世界投資と同じだ。米国が終わるときは世界が終わるとき。』

どちらも説得力があります(笑)

では、近年はどちらに投資しておいた方が、よかったのでしょうか?

 

2019年の年初にS&P500・先進国・全世界(日本除く)・オルカンにそれぞれ一括投資した場合のパフォーマンスの比較がこちらです。

2019年-2023年の比較

 

S&P500:175.54%

先進国:153.25%

全世界(日本除く):138.21%

オルカン133.98%

 

想像しているより大きな違いだと思います。S&P500とオルカンは約40%も差があります。これは100万円投資していたら、4年で40万円違ってきたということです。

 

さらに、複利的な効果を考えれば、この投資最初期の差は長期的に大きく広がっていきます。

2019年にS&P500に100万円を投資していれば、いまは約275万円になります。

一方、オルカンでは、約234万円です。

来年のリターンがそれぞれ同じ10%だと仮定すると・・・

S&P500:275×110%=302.5万円

オルカン:234×110%=257.4万円

⇒差が45万円に広がりました。

 

過去数年の成績で比較すると、米国に投資する方がリターンが大きいです。またこの状況が続けば、加速的にその差は開いてくる可能性があります。

オルカン派がS&P500に勝利するには、米国以外の先進国と新興国が『どれだけ早く米国を凌駕するか』にかかっています。

遠い将来、米国を追い越すことができたとしても、その頃にはもはやひっくり返すことができない差がついている可能性も。

 

NISAの枠を一括投資で埋めて、非課税枠を最大限に利用する戦略ならば、現時点では『米国に分がある』と言えます。この先数年のパフォーマンスが将来に大きく影響するので、要注目です。

 

10年以上にわたって長期的につみたて投資する計画なら、『五分五分』ではないでしょうか。カントリーリスクにとらわれず安心という意味を込め、世界株(オルカン)というのも、正しい選択だと思います。

 

結論としては、初期投資で一気に埋めるならS&P500、長期に積立ならオルカンをお勧めします。

 

※ちなみに私は『全部買う』という邪道を行きます。

邪道:NISA四天王