インデックスファンドのコストとは?(目論見書に書かれたコストの意味)

インデックスファンドのコストはここを見て確認!

インデックスファンドを購入するときに最も大切なことは、いかに低コストで運用できるかということです。目論見書や運用報告書に記載されたコスト項目の意味をしっかり確認しておきましょう。

目論見書に記載されている主な手数料

最初に確認すべきはやはり『目論見書』になります。

目論見書に書かれている手数料項目は以下の通り。

信託報酬率

もっとも影響が大きい項目です。原則的に安ければ安いほどいいです。信託報酬率は毎日計算され、毎日、ファンドに支払わなければなりません。(ファンドの総資産から除かれて、基準価額が計算されます)

長期的に見て一番支払う項目でしょう。しかも、運用期間が長いほど・資産規模が大きいほど払う額が多くなるので、長期投資をする上では、0.数パーセントの違いが、数十万、数百万の違いになってしまうことも。

まずは、この項目を確認して、その他の投資信託と比較して十分に最低水準であるかチェックすることが重要です。

購入時手数料

低コストインデックスファンドを購入するなら、購入手数料は『なし』が原則です。

購入時に数%の手数料を取るような商品は、そもそも検討に値しません。

今は、ほとんどの商品がそうなっていると思いますが、念のため確認しておきましょう。

信託財産留保額

信託財産留保額はそこまで神経質に気にする必要はない費用です。

これは、ファンドの解約時(投資信託を売却したとき)に取られる手数料なのですが、ファンドを売却するということは、運用側にとって売買費用が発生します。

その費用をだれが負担するかというと、信託財産留保額がない場合、ファンド全体で負担しなければなりません。つまり、誰かが投資信託を解約したら、その手数料を自分も払わないといけないということです。そうしてほんのわずかですが、総資産が減るので運用効率も悪化します。

信託財産留保額が設定されていると、その分の手数料は解約した人が支払います。なので、ファンドを持っているだけの自分への影響が小さくなるということです。

なので、投資信託保有している間は、信託財産留保額が設定されていて、解約する人にだけ手数料が発生するファンドの方が有利です。

ただ、問題なのは『自分もいつか解約しなければいけない』ということ。その時に信託財産留保額を控除されます。

ファンドの売買にかかわる手数料を『毎日ちょっとづつ払う』か『解約時にまとめて払うか』の違いです。

 

運用報告書に記載されている手数料

総経費率(参考情報)

見落としがちなのは、総経費率です。毎年発行される投資信託の運用報告書を見るとそこに書いてありますが、目論見書には書いてある場合と無い場合があります。

※2024年の4月から目論見書にも記載されることが決まっています。

総経費率は、信託報酬の他にかかる費用(監査費用や売買委託費などの事務コスト)すべてをひっくるめて、どれだけ経費が掛かったか?がまとめられています。

運用にかかる事務コストはそのたびに変わるので、毎年変わります。いわば、その年の成績表です。

これを確認し、信託報酬+どれぐらいの費用が掛かったか をチェックすることで、どれだけ効率的な運用が行われているかわかります。

信託報酬がファンドの利益なので、原価の部分はどれだけかかったのか?を確認することができます。当然、総経費率は小さければ小さいほどいい。

オルカンより雪だるまの方が安い!?

総経費率で比較する癖をつけると、ファンドの実力がわかります。

ここでオルカン(eMAXIS Slim オールカントリー)とSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)を比較してみましょう。

 

eMAXIS Slim(オールカントリー)の総経費率 0.15%

 

SBI全世界株式(雪だるま)の総経費率 0.11%

 

どうでしょうか?驚くことにオルカンより雪だるまの方が約25%も総経費が安い(0.11%/0.15%)

オルカンと雪だるまは連動する指数や運用方式も違うので、厳密に同じファンドではないですが、全世界株式に投資しようとすると必ず比較に上がる商品です。オルカンの方が圧倒的に人気があるので、圧倒的に安いかと思いきや、直近1年間の運用報告書を見ると、雪だるまに軍配が上がります。

※なお、eMAXIS Slim(オールカントリー)は、この後、信託報酬の変更(引き下げ)を行ったので、来年の結果は逆転しているかもしれません。

 

まとめ

このように、一見同じように見えるファンドも手数料を比べると意外に違うということがあります。インデックスファンドを購入する際は、まず目論見書をみて、信託報酬が十分安いこと、販売手数料が「ゼロ」であることをチェックします。

そして、総経費率を比較してファンドが効率的に運用が出来ているか確認しましょう。信託報酬は安くても、運用効率が悪くて総経費がやたら高いと問題です。

総経費率は毎年変わります。運用資産が大きくなれば運用効率もよくなっていくのが通常ですので、いつまでたっても『売れてない』『総経費が高い』と感じる商品なら、別の商品へ乗り換えることも検討できるでしょう。